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第2話 導入するメリットとその手順や留意点

最終更新: 8月27日

「書類不備の迅速な対応が可能」

電子化のメリット

不動産賃貸契約を電子化することの目的は、借主・連帯保証人・貸主・仲介会社・管理会社の間で発生する書面のやりとりをなくすことである。それにより、郵送費用や業務時間の削減、契約締結期間の短縮という効果を得られる。特に新規契約時の管理会社のコスト削減効果は高く、1契約あたり3000円以上と試算されるケースもざらにある。また、書類の不備が発生した際のリカバリーは早ければ数時間以内で完了できることや、書類の紛失リスクがなくなることもメリットである。

業務の手順

 では、どのような手順で電子契約を行えばよいのか。電子契約サービスを利用する前提で話を進める。基本的な業務の流れは書面の場合と大きく変わらない。違いは契約書を印刷して封筒に入れて送るのではなく、契約書をPDFファイル等の電子データとして、電子契約サービスに登録することである。あとは、封筒が届いて押印する代わりにおのおのが電子契約サービスから配信される電子メールのリンク(URL)をクリックし、パソコンやスマートデバイスのブラウザでその契約書の内容を参照のうえ、署名ボタンを押す。

運用上の留意点

 電子契約を運用する際の留意点について重要な箇所に触れておきたい。不動産賃貸契約書の電子化では宅地建物取引業法だけでなく、税法も考慮する必要がある。実はこの部分はまだあまり知られていない。弊社は(公社)日本文書情報マネジメント協会という団体で、電子契約サービスを提供する複数のベンダーと有志で、契約書の電子化に関するガイドラインを作成している。

 不動産賃貸契約書は国税関係書類というものに該当し、税務監査の対象となる。そのため、電子契約を運用する際は、電子帳簿保存法に準拠した「タイムスタンプ」という改ざん防止処理が行える電子契約サービスの利用が望まれる。それにより契約書を電子データのまま保管して税務対応が行える。せっかく契約書を電子化したのに、税務監査のためにわざわざ契約書を印刷して紙で保管することや、契約締結済みの契約書データの改ざんを防止するために新たに管理業務を設けることは電子化の効果を損ねかねない。

全国賃貸住宅新聞 2018年3月12日号(No.1310)

「来たれ!!電子契約元年」 開発責任者 小野誠人