• 小野誠人

第3話 不動産賃貸契約以外の電子化

「家賃債務保証と家財保険は可能」


 結論から言うと、家賃債務保証と家財保険の契約書、それと家賃の口座振替依頼書を加えた3つの書類を電子化することがポイントである。それ以外の書類は自社の判断で電子化できたり、既に電子的な手続きが提供されたりすることが多い。


家賃債務保証契約

 家賃債務保証の契約は、借主と締結する保証委託契約書と、貸主と締結する保証契約書に分かれるが、どちらも契約書の電子化に対する法的な制限はなく、家賃債務保証事業者のビジネスジャッジで対応が可能である。法律ではないが、家賃債務保証業者登録規定(第17条)で書面交付が定められているが、電磁的手段での対応も認められている。

 また、家賃滞納時の対応(占有移転禁止の仮処分)で契約書の原本を裁判所へ提出する必要があるが、契約書が電子ファイルだから手続きができないという定めはない。昨年の夏にインサイト社が家賃債務保証契約の電子化サービスをリリースしてから、業界内で電子化の機運が一気に高まったと実感している。

家賃の講座振替依頼書

 オリコフォレントインシュア社のように、早くからWEB上での口座振替手続きサービスを提供している家賃債務保証事業者もある。

 インターネット上で名前・住所・生年月日などと共に、口座残高の下3~4桁等を入力することで本人確認を行い、口座振替手続きが行える。ネットバンキングの口座は不要で、ほぼ100%近い金融機関が対応している。しかし、同社でも依然として書面での手続きが6~7割を占めているとのこと。サービスが使い易くなり、かつ借主のITツールへの順応力が高まっている現在、改めて利用を検討してはいかがであろうか。

 余談だが、家賃債務保証事業者のR・RYOWA社で拝見した決済端末は先進的であった。仲介店舗に設置した電卓ほどの大きさの端末に銀行のキャッシュカードをスキャンし、暗証番号を入力するだけで、その場で口座振替手続きが完了するものであった。

家財保険手続き

 自動車保険の契約手続きがWEB上で行えるのが当たり前になったが、賃貸住宅にも関連する家財保険や少額短期保険の手続きも電子化は可能である。現時点ではWEB上で契約手続きを完結できる事業者・サービスの数は多くないが、賃貸契約や保証(委託)契約と並行して2018年は電子化が加速すると思われる。

 実際に弊社のセミナーにも数多くの事業者の方にご参加いただき、保険手続きの電子化に関する意見交換を行ってきた。

 不動産会社からも保険事業者に電子的な手続きの提供を積極的に相談していただきたい。


全国賃貸住宅新聞 2018年4月9日号(No.1314)

「来たれ!!電子契約元年」 開発責任者 小野誠人