• 小野誠人

第5話 電子契約が与える影響

最終更新: 2018年7月10日

「申込から鍵渡しが短期化」


なぜ契約締結期間は長いのか

 物件の内覧後、入居申込から賃貸契約の締結完了するまでどのくらいの期間がかかっておられるだろう。少なくとも2週間くらいかかっているのではないか。他のサービスと比較して不動産関係の手続きには長い期間を要する。その要因の多くは処理を紙と手作業で対応していることにあると考えられる。


入居申込書の電子化

 契約電子化を検討している不動産会社では入居申込書の電子化も一緒に検討しているケースが多いし、実際に電子的な手段に切り替えている会社もある。

 契約業務の起点にあたる入居申し込みがアナログからデジタルに変わることで、システム入力やFAX送信に人の手を介する必要がなくなる。

 (図)オンライン入居申込サービスと家賃保証審査業務のシステム間の自動連携も広がってきている。


民法改正の意外な効果

 2年後の民法改正により連帯保証人を取らない賃貸契約や保証委託契約が増えると予想されるが、契約当事者が減ることで、副次的な効果として契約締結期間の短縮につながるだろう。もちろん連帯保証人には金銭債務意外を保証する役割もあるので、その部分をどうクリアするか、不動産事業者や家賃債務保証会社の皆様のお知恵を借りて考えていきたい。


銀行振込のリアルタイム化

 今年10月より異なる銀行間の振り込みでも365日24時間行えるようになる。都市銀行や地方銀行の8割にあたる112行が対応予定である不動産事業者は土日に送金や入金を確認できる。近年、不動産ポータルサイトの情報充実化に伴い、内覧を1物件しか行わない入居者が増加傾向であるが、「午前にお目当ての物件を内覧、昼までの入居申し込みで当日鍵渡し」となれば消費者行動にマッチした付加価値になる。


賃貸契約のオンライン完結

 本稿では店舗への来店を前提に筆を進めたが、不動産賃貸契約を短期間かつ「オンライン(非対面)」で完結するにはどうすればよいか。これには重要事項説明書等の交付書面の電子化が必要となる。交付書面を郵送していてはタイムロスが大きい。この辺りの最新動向については、次回(最終回)に稿を改めたい。



全国賃貸住宅新聞 2018年6月11日号(No.1322)

「来たれ!!電子契約元年」 開発責任者 小野誠人